皆さんこんにちは。大阪府東大阪市に拠点を置き、関西圏を中心に塗床工事を手掛けている株式会社テンマです。
半導体工場の建設ラッシュがおきている現在の日本において「アウトガス対策」は欠かせない要素です。
アウトガスは適切な対策を行わなければ、製品の不良や歩溜まりの低下につながる恐れがあります。そこでおすすめのアウトガス対策が「塗床」です。適切な塗床を使用することで、アウトガスの発生を大幅に抑えることができます。
この記事では、弊社でも豊富な施工実績を有している「アウトガス対策」についてご紹介していきます。
過去の記事にてアウトガスの基本などを解説しておりますので、そちらもご覧ください。
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■アウトガスの発生による問題とは?
半導体工場で発生するアウトガスの元となるのは、工場内で使われている装置や部品の材料についた、水を主成分とする酸素や窒素などの気体、または有機物です。
これらの素材を真空環境下に置いた場合、アウトガス(放出ガス)として真空中に放出され、さまざまな問題を引き起こします。
半導体工場においてアウトガスが発生した場合、アウトガスが装置の内壁やワークに付着して電子機器の動作不良や非接触センサの誤作動、ワーク汚染を起こし、歩留まりの低下につながるかもしれません。
もしも、宇宙空間にある人工衛星からアウトガスが放出されたらどうでしょう?
宇宙空間は汚染され、汚染物質が人工衛星のカメラのレンズや部品に付着することで、せっかく取得したデータが劣化したり、失われたりします。
したがって、半導体や電子機器工場などの真空環境下では、低アウトガス材質の床材を使用したり、アウトガスの予防に効果的な治具、部品を採用したりするなど、使用する材料の選定に十分な吟味が必要です。
■アウトガス対策に求められること
半導体・電子機器工場でのアウトガス対策には、押さえるべきポイントがいくつかあります。
ここでは、工場でよく用いられるアウトガス対策についてお話しします。
・素材の選定
半導体工場でアウトガスの発生を抑えるためには、真空槽内や周辺機器にアウトガス放出量の少ない素材を選ぶことが重要です。
水分を吸ったり溜め込んだりする素材は極力避けるべきでしょう。一般的に金属やガラスはアウトガス放出量が少なく、プラスチックやゴムは放出量が多いとされています。
特に半導体工場や電子機器工場のような繊細な管理が求められる環境下では、ステンレスやセラミック、ガラスなどの素材が多く使われていることがその証拠です。
もちろん、プラスチックやゴムが使われることもあります。そのような場合には、素材のアウトガス放出量や耐熱性が念入りにチェックされます。近年では、半導体工場で使われている部品にもプラスチック素材が増えているため、素材の選定はますます重要です。
メーカーによっては半導体工場や宇宙業界向けに、アウトガスやイオン不純物における厳しい基準を設けている会社もあります。
・面粗度の改善と洗浄
半導体工場をはじめ、工場で使われる機械や部品には、見えない凹凸があります。凹凸があればそれだけ表面積が増えるため、不純物が付着しやすい状態になるのはおわかりいただけるでしょう。
研磨などをして表面を滑らかにすれば、汚れがつく面積を減らすことができます。
また、部品や真空槽内に付着している不純物を取り除くための洗浄も、アウトガス対策には有効です。真空工程に入る前に脱脂溶剤や水系洗浄剤を使って、水洗い・湯洗いを行います。
・真空ベーキング処理
真空ベーキング処理は、アウトガス放出を軽減するための代表的な手段です。
真空槽内を数百度の高温で熱し、アウトガスの元となる水分や気体、不純物をガス化させます。ガス化させることで付着物を材料から引き離すことが可能です。
アウトガスが抑制されれば、真空槽内の圧力を安定させることができます。
ベーキング処理は水や有機溶剤、切削油の除去もできるため、洗浄よりも効果のある手法です。
・アウトガス対策のできる塗床
電子部品や精密機器を扱う工場のクリーンルームでは、アウトガスの発生を抑える床材が多く使用されています。
アウトガス対策を行う上で重要なことは、耐薬品性や耐衝撃性、防食性など機能性に優れたものを使用することです。多くの条件をクリアできる対策はなかなかありませんが、塗床は使用する場所に見合った機能性を選ぶことができ、さらには高品質な施工、予算に見合った価格が実現することから、コストパフォーマンスに優れた対策といえます。
使用する床材によっては、付着有機物量が一般品より少なく、表面の汚染物質も限りなく少ない、アウトガス対策に打ってつけのものもあります。
株式会社テンマはさまざまな条件、環境に対応した高品質な塗床を施工する専門業者です。お客様のご要望に沿った塗床のご提案をいたします。
弊社の施工事例の一部を公開しておりますので、是非ご覧ください。
施工事例はコチラ
■アウトガス対策に適した塗床材とは?
ここでは、アウトガス対策に適した塗床材を3つご紹介します。
・エポキシ樹脂系
エポキシ樹脂系は非常に高性能で、工場の床をはじめ、さまざまな施設で使用されている床材です。
アンモニアや有機ガスの発生を抑えたり、水を通さず防錆性も高かったりと、アウトガス抑制に効果を発揮します。
そのため、空気中の汚染物質を嫌う半導体工場におすすめです。硬化性も高く、重量物を使用する工場にも適しています。
デメリットは他の樹脂系より価格が高いことですが、性能がよく耐用年数も長いため、コストパフォーマンスは良いといえるでしょう。
・ウレタン樹脂系
ウレタン樹脂系はエポキシ樹脂系よりも柔らかく弾性のある床材です。
下地となるコンクリートのひび割れに追従して強度を保ってくれます。廊下や店舗の床など、歩行のためのスペースにも最適です。
ウレタン樹脂系は優れた耐衝撃性と耐薬品性があることから、工場の床にも適しています。雨や紫外線などの自然環境にも強い耐候性を持ち合わせているので、屋外での使用も可能です。
・ビニルエステル樹脂系
ビニルエステル樹脂系は、揮発性の高い材料をほとんど使用しないビニル床材です。
施工後の養生期間を過ぎるとアウトガスがほとんど発生しないため、すぐに使用できます。
エポキシ樹脂系同様、アンモニアや有機ガスの発生を抑える効果もあり、半導体や電子機器など、デリケートな製品を扱う工場のクリームルームにおすすめです。
■まとめ
この記事では半導体・電子機器工場におけるアウトガス対策について、効果的な対策と塗床材をご紹介しました。
塗床材にはそれぞれに特徴があり、適した使用箇所も異なります。数が多くてどれにしたら良いかわからない方は、ぜひ実績豊富な専門業者に依頼してください。
プロの業者に依頼すれば、工場内の環境や予算に応じた最適な塗り床を提案してもらえます。
塗床は壁の塗装とも違い、非常に専門的な作業です。ムラなく綺麗に塗るのは想像以上に難しく、性質を理解していないと不具合が発生する可能性もあります。
信頼と実績のある業者に依頼すれば、納得の仕上がりになることは間違いありません。
■テンマではさまざまな条件、環境に適した塗床施工を承っております。
株式会社テンマは昭和52年に創業し、40年以上にわたって「塗床」という仕事に携わってきました。年間の施工実績は2,500件以上にのぼり、当然、アウトガス対策の施工経験も多数ございます。
半導体工場で使われるような、より精密な条件を満たした数多くの商品を取り扱っておりますので、それぞれのニーズに合わせた商品のご提案が可能です。
また、メーカー様からの認定もいただいており、責任施工にも対応できます。工事業者を通さないため、適正価格でご提案できることもメリットです。
これまでの豊富な経験から得た知識・技術・ノウハウを駆使して、お客様へ高品質な施工をお届けします。
半導体工場・電子機器工場内のアウトガス対策でお悩みの事業者様は、ぜひ株式会社テンマへご相談ください。