参照元:施工事例「工場床塗床改修工事」より
皆さん、こんにちは。株式会社テンマです。弊社は大阪府東大阪市を拠点に塗床工事を手掛けています。皆様の職場をより安全に、より衛生的に、より美しく心から安心して働いていただけるように、綺麗な床作りをということで施工を行って参りました。床の劣化や欠損、不具合などのお悩みがありましたら、ぜひ弊社までご相談ください。さて本日は、工場の床についてのお話をさせていただきましょう。生産ラインのベースとなる工場の床は、さまざまなダメージを受けるハードな環境下におかれています。そのため、床の不具合や劣化の放置は工場の命ともいえる生産ラインを停止しなければならなくなる程大きな改修を必要としてしまう可能性があります。今回はそんな「工場の床が劣化する原因」にフォーカスをあて、原因と対策を紹介していきたいと思います。
■床の塗装に現れる劣化症状の原因について
参照元:施工事例「食品厨房改修工事」より
床の塗装にはさまざまな原因で劣化症状が現れます。その原因をひとつずつ見ていきましょう。
・原因①
まず1つ目の原因は施工ミスや選定ミスによる剥がれです。施工から短期間、例えば1か月以内で床が剥がれるとしたら、施工ミスによる可能性が大きいです。正しい施工をしていれば、そのように早く床が剥がれることはありません。例として挙げると、改修の際に脆弱となった塗膜を放置した状態でその上から重ね塗りをすると、床が剥がれやすくなります。最近は、施工業者側でもこのようなことが起こらないようにしているので、実際の施工ミスの例は減りつつありますが、全くないという例ではありませんから、注意しましょう。施工から1年くらい、初期不良の時期を過ぎた頃ですが、この時期に床が剥がれたり変色したりするのは使用用途と塗装が合っていないことが原因でしょう。
・原因②
2つめの原因は熱水や衝撃による剥がれや割れです。塗床の材質によって耐熱水性は異なりますが、例えば合成樹脂の耐熱水性は40℃程度。このような床に対して、60~70℃の熱水を頻繁に使う工場では樹脂が熱で劣化してしまいます。熱による劣化の他に、衝撃で床が傷み、割れたりすることがあります。塗床の耐久性以上の負荷を掛ければ、台車を通しただけでも床が割れることがあるのです。あるいは硬くとがったものを床に落としても、床が割れる原因になります。
・原因③
3つめの原因は、殺菌洗浄による変色です。工場によっては、清掃の際に次亜塩素酸ナトリウムやアルコール系の薬剤を使用することがありますが、これらの薬剤を長期間床に付着させると、褐色に変色してしまうことがあるのです。そのため、殺菌洗浄の薬剤使用後には水洗いしてください。水洗いで被害を抑えられます。
■工場の床は安全、効率的に生産するための要です。劣化放置のリスクとは?
工場の床を塗装するのは美観を維持するためであるとお考えかもしれません。そのため、床が剥がれたり劣化したりしても、「業務には関係ないから」とそのまま放置するオーナーもいるようです。しかし、この考え方は間違っています。床の剥がれや劣化を放置することで、生産業務にも悪影響が及び、リスクも生じるのです。工場の床塗装は安全、効率的に生産するための要ともいえます。そこで、床塗装の主な役割を考えてみましょう。
・安全性向上
工場の床は日々作業員や台車の重量や通行による摩擦、水・お湯、蒸気、高熱、薬品などにさらされています。かなりハードな環境にあるともいえますが、その環境から守る役割を果たしているのが塗装です。もしこの塗装が剥がれたり劣化したりした状態を放置するとどうなるでしょうか。
床は大きなダメージを受け、ひび割れや凹凸などが生じます。その状態の床の上を作業員が歩いたり台車を移動したりすれば、転倒事故が発生する恐れも出てきます。転倒事故により、作業員がけがをする、搬送している資材・製品が損傷するなどの事態をも予想できます。
そのため、作業員と資材の安全性を確保するためにも、床の塗装が欠かせないのです。また、ひび割れや凹凸が発生していない床でも、むき出しで滑りやすくなっていることもありますが、これも危険。事故発生にも繋がるので、防滑機能のある塗料で塗装し、下滑りにくく転倒しにくい床にしたいところです。
・生産性向上
工場の床塗装は安全性だけではなく、生産性にも関わってくることです。まずひび割れ・凹凸が発生している床や滑りやすい状態の床では、作業員も足元を気にしながら歩行しなければいけません。転ばないように、資材をひっくり返さないようにと慎重にもなり、作業効率が悪くなります。
ミスも発生しやすくなるので、生産性にも悪影響が出てくるでしょう。次に、多くの工場では床にラインを引き、通路・在庫置き場・機械の設置場所などをわかりやすく分けています。ところが、床塗装が劣化すると、このラインが消えてしまうことがあるのです。ラインが消えると、動線がわかりにくくなり、整理もしにくくなり、清掃や作業に余計な時間を費やすこともあるでしょう。
これも生産性を低下させる原因です。この他にも、工場の床塗装は防塵効果による異物混入対策や耐荷重性・耐衝撃性アップ、床の汚れ防止などの役割も果たしています。それだけ重要なものなので、割れや劣化などが生じたら、できるだけ早く修繕するようにしましょう。
■これらのリスクを未然に防ぐためにオススメな塗床材は?
工場の床塗装の劣化でさまざまなリスクが生じることはおわかりになったでしょうが、そのようなリスクを未然に防ぐのに役立つオススメ床塗材があります。
参照元:「下地処理工事」より
上記のような劣化を防ぐためにも床塗材の選別は大切です。そこで床塗材の種類と特徴を紹介しましょう。
・エポキシ樹脂
1つ目のオススメ床塗材は、エポキシ樹脂です。エポキシ樹脂は価格が安価で、使用頻度が最も多い床塗材です。特徴は耐摩耗性や耐衝撃性、耐薬品性、耐油性に優れていること。見た目も機能性も良く、バランスも良くなっています。エポキシ樹脂の欠点は耐久性や耐熱性に関して劣る部分があることです。そのため、工場で使用する際は2倍の厚みで塗装することがオススメです。また、耐熱仕様でないエポキシ樹脂の対応温度は60℃まで。それ以上の高温の物質を扱う工場には向いていない床塗材です。
・ウレタン樹脂
2つ目のオススメ塗床材はウレタン樹脂です。ウレタン樹脂の価格はエポキシ樹脂よりもやや高価ですが、耐熱性や耐久性、耐衝撃性、耐薬品性に優れた床塗材です。ただし、耐久性が高いとはいっても、十分な下地処理を行ってから使わないと、剥がれが生じることがあります。また、汚れがつきやすい種類もあります。
・アクリル樹脂
3つめのオススメ塗床材はアクリル樹脂です。アクリル樹脂は上記2つの塗床材よりも高価になっています。しかし、その分耐久性が非常に良く、エポキシ樹脂の5倍ともいいます。耐摩擦性、耐薬品性、絶縁性、美観性も抜群。価格通りの機能を発揮してくれるでしょう。施工後はすぐに硬化。即日使用もでき、工場のスケジュール管理がしやすくなります。アクリル樹脂の弱点は鋭利な物体が落下すると傷がつきやすいこと、90℃以上の熱湯がかかると膨れることがあるなどです。
■まとめ
今回は、床の塗装に現れる劣化症状の原因や劣化に対してオススメの塗床材などの紹介をしました。工場の床は美観だけでなく、安全性や生産性の観点からも常に正常な状態にしておく必要があります。そのためにオススメの塗床材もあるので、施工業者と相談の上、自分の工場に適した材料を選んでみましょう。施工が正しく行われれば、安全で効率的な作業が維持できるようになります。
株式会社テンマは、昭和52年から創業45年で年間の施工実績が2,500件以上と豊富な会社です。当然、アウトガス対策の施工経験も多数ございます。これまでの経験から、工場の環境に合わせた商材選定や正確な施工が可能で、メーカー様からの認定もいただいております。床のことで気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。